2011 01.18 “嵐山”のお勉強をしてきました。
今日はうちの旅館のすぐ横の“嵐山”のお勉強をしに、雪が残る嵐山を歩いてきました。
嵐山は国有林なのですが、実は中に入ると蔵王権現という御堂があったり、滝があったり、天龍寺や渡月橋を一望できるスポットがあったり、昔は人々の暮らしに密接して生きていた山なのです。昭和初期の石垣なども残っています。
でも長いこと誰も手を掛けなかったためだいぶ荒れてしまっています。
なんとかこの山を一般の方にも気軽に訪れていただける山に生き返らせたいと、地元住民や専門家の方々は思っているのです。
嵐山は今、野生の鹿の害や、話題のナラ枯れなど様々な問題に侵されているんです。
一番意外だった問題は、「木が増えすぎている」ということ。
さっきも書いたとおり、嵐山は昔はずっと人々の暮らしに密接した山で、人が入って薪などにするために木を切ることによってちょうどいい量の木が維持されていたそうなんです。
それが薪など木を使わなくなった昨今は常緑樹ばかりがどんどん大きくなっていき、
それに伴い地上には日光が届かなくなり、桜や紅葉などを含め、他の木、若い木が育たなくなってしまった、ということだそうです。
そうなると、この常緑樹に寿命が来た時(おそらくほぼ一斉に来る)山に木がなくなってしまう、という事態になってしまうわけです。
なので専門家の指導のもと、常緑樹を減らす計画が進められています。
どの木を切っても山の能力に影響ないか見極めるのもなかなか難しいそうです。
鹿の害というのは、どうやら野生の鹿が増えすぎているようで、芽吹いてきた新芽や草を鹿が根こそぎ食べてしまうのです。
実際に山中に柵で囲って鹿が入れなくしておいた所には30種類もの草が確認できたそうですが、その外はたった2,3種類の草だけしか生えていないそうです。
(余談ですが、この3種類というのは鹿が嫌いで食べない草なんだそうです)
それのどこが悪いのか??
雑草も山のひとつで、雑草が無いと、例えば岩がコロっと転がった時くい止めるものがないということなので、人が歩いている道まで転がり落ちてきてしまったり、地滑りがおきやすくなったり、水を堰き止める能力が弱まったり、、、
と様々な問題が起きてくるのです。
この問題をどのようにしたら解消できるのか、現在いろいろな研究が進められているところです。
見にくくて申し訳ないですが、植物が一定のラインより下にないのがおわかりいただけますでしょうか?
鹿が届く範囲の植物が食い尽くされている証拠です。
これはイノシシが掘り起こした跡。イノシシは雑食で土の中のミミズやドングリやキノコなどなんでも食べてしまうんですって。
眼下には大堰川、その先に天龍寺の屋根や竹林、渡月橋が望めます。こっちからの渡月橋はなかなか珍しい☆
早く一般のお客様にも見ていただける日が来るといいなあと思います。